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2020年4月16日 (木)

反省から超克へ

 今朝の東京新聞は、〝女性差別と闘う〟上野千鶴子さんの記事が1面左肩に、続きが7面に掲載されている。一面のお写真の横には「空気は読まない」の東京新聞の題字。しかし、ご自身の色紙には「空気は読む、だが抗う」と。上野さんらしい主張だ。東大の女子学生2割問題が最高学府の現実に象徴される此の国の男女差別の実態であることは先のアカショウビンのブログの無知として反省する。7面には昨年の東大入学式の祝辞の抜粋も。あれは痛快な祝辞だった。しかし男女差別の現実の壁は実に厚いのである。それを上野さんは新入生たちに伝えたのだ。それを少し引用する。

 (前略) 

 あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶(おとし)めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください。大学で学ぶ価値とは、すでにある知を身に付けることではなく、これまで誰も見たことのない知を生み出すための知を身に付けることだと、私は確信しています。知を生み出す知をメタ知識といいます。そのメタ知識を学生に身につけてもらうことこそが、大学の使命です。ようこそ、東京大学へ」

 見事な祝辞ではないか。その肩書は「認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長 上野 千鶴子」となっている。日本社会における女性差別の根深さは女性側の視点とそれに仏教的にいえば〝共苦〟する姿勢と想像力が不可欠なのである。『新聞記者』の著者、望月衣塑子さんの履歴にもそれが記されている。上野さんは、1990年代に長期不況に陥り、社会全体が守りに入った。あの時に働き方改革をやればよかったのに、政財界労のオヤジ同盟で昭和型の働き方を維持した。諸外国が必死にやってきた改革を日本は二十年間やらずにサボって、取り残された。ジェンダーもその一つです。抵抗したけれど、非力で変えられなかった。だから、最近は若い人に「こんな世の中にしてごめんなさい」と言ってます、と述べている。その言や好し。

 #MeToo運動は世界の思潮である。しかし先ず、われわれは足元から、自らの周囲から変えていかなければならない。しかし、言うは易し、行うは難しである。何ができるか、何をすべきか、それは古い言葉でいえば、いかに超克するか、出来るか、である。そこで時代錯誤であってはならない。

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