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2020年2月 9日 (日)

1982年暮れのマイルス

 昨年後半に中古で買った1982年大晦日のニューヨークはマディソン・スクウェア・ガーデンのフェルト・フォーラムでのライブを聴いて飽きない。マイルスが憑かれたように、はたまたマッチョに、縦横に舞台を行き来しメンバーを刺激、鼓舞、沈思、活性化させているのがビシビシとこちらに伝わる。これがマイルス・デイヴィスだ。オレがマイルスだ、という空気が横溢している。稀有の時空の現出、生成と言っても良い。

 それはまた、このところよく聴いているビル・エヴァンスがスコット・ラファロ、ポール・モティアンと組んだアルバムでの名演と好対照を示している。それは集中と開放と言えばその何たるかの幾らかでも伝わるだろうか。マイルスのバンドもマイルスに触発されながら集中しているが、その〈気〉とでも云うエネルギーは開放されている。しかしビル・エヴァンスたちは限りなく集中し没頭し沈潜していく。その果てには、もしかして開放があるのやも知れない。スコット・ラファロのベースにはそれを感じる。ビルもそれに触発されているのだ。今のアカショウビンに必要なのは集中より開放だ。鬱屈する日常に清涼な空気を入れねばならない。こういう録音を聴くと病院通いで萎える日々にも、生活を正せ、と喝が入る。

 マイルスの全7曲を記しておく。①COME GET IT②IT GETS BETTER③U'n'I④STAR ON CICELY ⑤STAR PEOPLE⑥HOPSCOTCH⑦JEAN PIERRE

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