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2019年11月 3日 (日)

ハンナ・アーレント覚書⑧

 ハンナ・アーレントは『悪夢と逃避』というタイトルで1945年に出版された仏語の『悪魔の分け前』(ドニ・ド・ルージュモン著)の書評を書いている。『アーレント政治思想集成』p181~p184。その中で著者を批判する根拠としてハイデガーの「無」を引き合いに出している。

 ――悪魔は「無が無を生む」ことによってすでに何らかの行為主体であるハイデガーの無(強調の読点を付け)の人格化にほかならない(悪魔は「無」(読点付き)の使者であり、「無(読点)のためのはたらき」、「無(読点)の行為体であり」「無(読点)への傾向ももつ」など)。

 これらの批判を踏まえてハンナ・アーレントは、このルージュモンの著作を反語的に推薦する。「それは真の人間記録(ヒューマン・ドキュメント)である、と書いている。これらやハンナ・アーレントの最後の八年間の論考は『全体主義の起源」はじめ主要著作や草稿と共に現代に生きる私たちに熟考を促す。

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