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2019年7月11日 (木)

女優烈伝

 関西在住の高校の同級生がネットで岡田茉莉子の若い頃を礼賛し好きな女優に挙げていた。異論あり、とだけコメントした。その理由を記しておこう。女優の若き頃というのは、どの女優でも華があると言ってもよい。映画という媒体のモノクロームからカラーへの移り変わりを考慮すると女優観も千差万別。アカショウビンの日本映画、欧米女優観もその一つにすぎない。

 岡田茉莉子については小津作品がアカショウビンの評価基準である。二本の出演作は若夫婦の小生意気な若妻を演じている。夫は佐田啓二。父親は笠智衆。その家族関係が面白く微笑ましい。それは“家族崩壊”が論議される中で現在の家族でも現実としてある姿を小津はその理想型として描いている。結婚せず作品の中で夫婦、親子、父娘、家族を描く小津作品は山田洋次に継がれている。

 もう一本「秋刀魚の味」の岡田茉莉子である。若妻とは異なる下町のチャキチャキ娘が面白い。サラリーマン族を手玉にとる岡田に小津は現代女の典型を造形したように思われ面白いのだ。

 日本女優と欧米女優は明らかに異なる。文化の違いと言えば蓋もない。しかし、その違いは、言葉を尽さねばならない。

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