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2019年7月16日 (火)

下層労働の実態

 本日の東京新聞夕刊は<労働者のための政治を>の主見出しで、<「偽装請負」の末 使い捨てられ>、<直接雇用求め 会社を提訴>の副見出しで、カーペットや内装材の総合メーカー「東リ」の仕事切りに対し裁判で神戸地裁で闘っている五人のレポート記事だ。アカショウビンの下層労働に照らして他人事ではない内容である。詳細は省く。「東リ」工場での請負の形での就労は製造業への労働者派遣が禁じられていた1999年頃に始まっていた、と記者は書いている。法改正により現在は派遣が可能だが、三年ごとに労働者を換えねばならず熟練工を使い続けられないデメリットが企業側にある。仲間で労働組合を作った人たちは労働者派遣法にある「みなし制度」を使い直接雇用を求め東リに団交を申し入れたが東リは拒否。別の会社からの労働者調達に切り替えようとした。ところが組合員16人のうち雇用を約束した11人を派遣会社に雇い五人を不採用にした。組合崩しである。五十代での職探しは厳しい。アカショウビンも10年前に体験した。裁判には費用がかかる。兵法でいえば兵糧攻めである。原告弁護団の弁護士は「これが救済されないなら、せっかく法改正したみなし制度が生かされないことになる」と主張している。「〇八年に派遣切りが多発し、選挙で雇用の安定は重要な争点だったのに、今はどうか」とも。

 アカショウビンが働く警備会社は作業リーダーを隊長と呼ぶ。これが様々だ。きょうの隊長は軍隊の悪軍曹のようなものだ。初年兵を人間扱いしない。暴力こそ振るわないが言動は紙一重だ。それには当然抗議した。向こうは鼻白んでいたが。雨のなかアカショウビンはヘルメットと合羽姿で水道工事現場の交通誘導である。とはいっても人通りの少ない高級住宅街である。殆ど立ちつくしたまに通る歩行者や自転車に声をかけるだけだ。それを果たして仕事というのか。むしろ下層労働というべきだろう。労働に上中下があるのは経験的事実だ。その欺瞞が、非正規と正規雇用の平等という建前の裏の本音は差別の実態なのだ。労働契約申し込み「みなし制度」の施行は2015年。その後、適用例はないという。それが現実の法の施行の実態なのだ。アカショウビンの労働の実態もそのような法制度の現実の渦中にあるということだ。

 

 

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