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2019年1月14日 (月)

三人のジャンゴ

 先日、ジャンゴ・ラインハルトの生き方と演奏を題材にしたフランス映画をレンタルDVDで観た。この天才ギタリストの姿と生き方を興味深くみた。最初その演奏に惹かれたのはルイ・マル監督の『ルシアンの青春』でだった。ジャンゴの演奏が実に効果的に使われていた。そのご、ジャズに親しむなかでジャンゴの音楽にあるのがスイングであり、ブルースであることにアカショウビンもそれらの演奏と録音に馴染んでいったのであった。それは渡仏した米国のジャズメンたちとの共演ともなった。そのなかで〝スイングの王様〟というのがジャンゴの評価である。しかし、その半生を描いた映画は先の大戦でのナチとの相克を辿り興味深い。ジプシー(現在はロマになっている)の姿を通し、そのなかで戦後まで生き延びた一つの〝歴史〟をこの作品は描いている。それはヨーロッパでの各民族の姿と相克だ。それが音楽を介して描かれるのが作品のメッセージである。

 それで思い出すのがイタリア製のマカロニ・ウエスタンのジャンゴである。それは米国映画でも描かれた。その元になったのはマカロニ・ウエスタンのジャンゴである。それは三様のジャンゴとして面白い。『ギター弾きの恋』はジャンゴ、ラインハルトを尊敬するギター弾きの話である。ウディ・アレン監督の仕掛けにアカショウビンは、まんまとハマり脱帽した。マカロニ・ウエスタンの音楽はエンニオ・モリコーネである。アカショウビンが中学生のころ大人気を博しアカショウビンも夢中になった。音楽と映画のコラボが強烈だった。学校は、このような〝残酷〟な映画を上映する映画館の出入りを禁じた。しかし、さすらいのジャンゴ〟の挿入曲や『荒野の用心棒』の〝残酷な〟ジャンゴは真面目な中学生に校則への反抗への端緒を開いた。アカショウビンは以来モリコーネの音楽を繰り返し聴いて鼓舞される。

 それはともかく、近作の『永遠のジャンゴ』で描かれるナチとの関わりは現在もロマの姿を介しヨーロッパの歴史を通底する〝歴史〟として現在しているだろう。それはユダヤ人たちの生とも深く連関する民族が相克し現象する現実だ。先日読んだ『ナチ神話』も、それを想起させる。ジャン=リュック・ナンシーとフィリップ・ラクー=ラバルトの共著である。二人の哲学者がナチズムの哲学的分析をしている。それは哲学分析であるが現在のフランスやドイツのユダヤ問題との関わりを論じてアカショウビンを挑発する。それはまたハンナ・アーレントの政治哲学とも共振する。

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