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2018年10月10日 (水)

美しく鋼の如き声

 スペインのソプラノ歌手、モンセラ・カバリエの訃報を知り手持ちのCDでベルリーニの『ノルマ』を久しぶりに聴いた。1972年のロンドン・フィルとの録音。85歳で亡くなった稀代の歌い手の最盛期の声が堪能できる。何とも美しく鋼の如き声が鮮明に録音されている。英国の優秀なオーケストラだがイタリア・オペラの味わいに、すっきりし過ぎて物足りなさは残る。しかしソリストが豪華。アカショウビンの愛聴するフィオレンツァ・コッソトを聴くために買ったCDだがルジェロ・ライモンディ、プラシド・ドミンゴと当時のトップ・スターを揃えている。

 この世の楽しみは、このような鍛え上げられ、磨き抜かれた声と遭遇することだ。ヴェルディに続くイタリア・オペラの伝統は1831年に一人の若者の作品によって引き継がれた。それはまた、ヴェルディの作品の偉大さを証明するものでもある。異空間から届く声は娑婆を生きる力を与えてくれる。その貴重を言祝ぎたい。

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