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2018年9月24日 (月)

老いの本質④

 先日、長年勤めた会社の縁で付き合いのある漬物会社の会長の85歳の誕生祝いに招かれた。都内の会場は二年ぶり。会長はじめ奥様とも久しぶりに歓談した。聞けば御近所で親交のある脚本家の山田太一さんは老人ホームに入られたようだ。二年前はお元気な様子だったが。その席には会長と同級生の海老名香葉子さんも同席され戦後の人生を講演された。

 静岡の沼津から二十歳で東京に出て会長は会社を起業。業界有数の企業に仕立てあげた〝風雲児〟である。会場舞台の横断幕にその文字を見た。〝風雲児〟とは言い得て妙。業界組合を脱し独自の信念で漬物を作り続けた人はそのように評してもよいだろう。長年の付き合いでアカショウビンには、戦後の日本人の生き方を体現した一人と思うからだ。叩きあげの中小企業の創業者の一人として十数年、興味深く話を聞いてきた。それは是非、一代記を残したい人である。業界の若手たちで海外も訪れ同業者たちとの確執もあった。その人たちも鬼籍にはいる人が増えた。その紆余曲折を記録に残したいと切に思う。たとえばタイトルは〝つけもの大将、風雲録〟。一つの業界の経営者の生き様は昨今の風潮に警鐘も鳴らすだろう。創業から65年、老骨に鞭打ち創業70周年を目指すと吠えるワンマンの気骨は共感する。早くご長男に譲り隠居にはいれば、とも思った。しかし、それができないのが叩きあげの経営者である。それはアカショウビンの父親とも似る。アカショウビンの父親は事業に失敗し67年の人生だった。しかし老社長は85歳の長寿で意気軒昂。それはそれぞれの戦後の日本人の生き様だ。そこに様々な老いの姿を見る。仏教で説く生老病死は、人それぞれに現象する。老いの本質というものがあるのか。さらに愚想を重ねたい。

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