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2018年8月22日 (水)

マキノ監督、追悼

 マキノ監督と言っても日本映画の巨匠、何度も名前を変えたマキノ正博監督ではない。先日亡くなった俳優の津川雅彦である。数年前に役者業から一転。監督した第一作『寝ずの番』を借り観て、追悼のようなものが書けそうになった。

 もとより、美青年は俳優として脚光を浴び、女性ファンの熱いコールに何本もの映画に登場した。しかし、歳経て老境に至り、撮られる側から撮る側に回り、演者たちを自在に使いまわしたいと思うのはオーケストラも同じである。指揮者の我儘に振り回されるより、振り回す側に回りたい。その一念と思しき情念で撮ったのが本作と思われた。監督が作品に登場する例は内外の作品に例はある。しかし、津川雅彦はそのような欲望を老いの慎ましさで見事に抑えた。日本映画の生きの良い俳優たちを自在に演じさせ笑いと涙を繰り広げた。監督がもっとも楽しんだろうが俳優たちも楽しく監督の遊びに興じ一作が拵えられた。その面白さを楽しめる。落語の好きな皆さんにはいっそう味わいが深くなること必定。是非、多くの津川ファンにご覧いただきたい佳作である。

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