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2018年7月24日 (火)

この映画を見よ②

 この時期になると先の世界大戦の歴史を極東の弧状列島で生きる者の一人として考えるのがアカショウビンの習慣の如き習性となっている。大戦の歴史事実の一つの報告書として驚嘆し驚愕し、その後の思索の契機となったのは吉田 満の『戦艦大和ノ最期』である。この戦闘報告書については何度か書いたので繰り返さない。吉田さん、あえてこう呼ばさせて頂くが、吉田 満が戦後に書いた文章は、戦争を経験していない者にとって、実際の戦闘の経過と奇跡的に生き残った乗組員のうちの一人の男の生き方と思索として、戦争とは何か、という問いとなって現在のアカショウビンの精神を駆り立て、鼓舞すると言ってもよい。ドイツと日本が戦争に駆り立てられイタリアと三国同盟を結び連合国と国民総動員で戦時体制を生きたという歴史事実はアカショウビンの世代は親の話や、その世代の小説家、詩人、思想家たちの作品、書物で知る知識である。先日、100歳で亡くなられた浜田知明さんの作品もそうである。それは稿を改めて考究していく。
 話を戻そう。この映画とは先に見た新藤兼人監督の遺作『一枚のハガキ』(2011年公開)である。また大袈裟な、というなかれ。日本人、世界の人々に推奨すべき映画と確信する。盟友ともいえる林 光さんの音楽も実に精妙で絶妙。映像の寓話性とでもいう表現に添い作品の意図を音にしている。レンタルDVDで100円で借りられる。アカショウビンは2011年の劇場公開のあとDVDで何度も観ているけれども、何度見ても監督の粘り強い執念とユーモア溢れる傑作、秀作である。DVDには監督や出演者のインタビューも聴ける。98歳のとき、60日の撮影期間を資金が足りなかったのだろう、45日に短縮し撮ったとは思えない凝集された映像と音楽、俳優たちの渾身の演技と声、台詞が見事だ。作品理解の特典映像も是非観て頂きたい。貴重な映像だ。繰り返し見て暑熱の夏を生きるうえで監督の我々への喝、としよう。

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