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2017年12月11日 (月)

ドイツ音楽の伝統と継承

   昨夜のNHKテレビで今年11月に行われたN響とのベートーヴェンの「英雄」をマレク・ヤノフスキーの指揮で聴いた。緩急自在、実に溌剌とした演奏だった。インタビューでも作品を深く理解していることがわかる。その演奏はベートーヴェン作品の正統を引き継ぐ演奏と聴いた。N響のメンバーもそれによく応えていた。同オーケストラとはワーグナーの「ニーベルングの指輪」の演奏会形式の共演をしたということである。それはN響のメンバーにとっても修練の場となった筈だ。その成果が昨夜の演奏にも結実していると思われた。昨夜のプログラムは前半がヒンデミットの作品。これも実に見事な演奏で両者の親密とレベルの高さを示していた。

   「英雄」の後は25年前のブラームスの演奏がおまけに。これまたドイツ音楽の伝統と継承が納得させるものだった。アカショウビンは昨年から今年にかけてブラームスの室内楽をよく聴き続けている。特に晩年の作品は心に沁みる。ピアノ・トリオは、ボザールトリオの録音で聴いてあきない。ピアノはメナヘム・プレスラー。アカショウビンはこのピアニストの来日演奏を予約していた。ところが急病で来日できずキャンセルになった。なんとも残念なことだった。しかし先日CDショップでモーツァルトのピアノ・ソナタを演奏した新録音が発売されたことを知った。聴衆にこたえる実に元気な姿の写真で病から癒えた姿が確認できた。来日公演予定のプログラムはシューベルトの作品で構成されていた。そのモーツァルトも見事なものだろう。それにしてもアカショウビンには生の演奏を聴きたい数少ないピアニストの一人である。

  このような指揮者やピアニストにベートーヴェンやワーグナー、モーツァルトの作品は継承されている。それを聴く経験は生きる悦びだ。疲弊し消耗するアカショウビンの日常にそれは干天の慈雨のように注ぐ。その幸いを言祝ぐのである。師走に入りベートーヴェンの第九も耳にする。今年はどの指揮者とオーケストラの録音を聴こうか。その感想も書いておきたい。

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