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2017年8月15日 (火)

72回目の8月15日

 朝は1952年に録音されたバイロイト音楽祭のクナッパーツブッシュが指揮したワーグナーの『パルジファル』を聴いて活力を得た。一昨日はCDでたまたまクレンペラーのワーグナー管弦楽集を聴くともなく聴いていて何やら心安らぐクレンペラー晩年の独特のテンポの遅さと雄大、拡がりが心地好かったのだろう。同じようなテンポのクナッパーツブッシュの戦後復興の落ち付きもみせてきていただろうバイロイトでの得意の演目は熟聴しなければならない演奏である。

 きのうはアルバイトを終え借りてきたDVDでロン・ハワード監督の『白鯨との闘い』を観て、ぐっすり寝た。このひと月は週に二本位のペースでDVDを観ているのだ。しかし休みの日で平日のアルバイトの帰りはぐったりなのである。先日亡くなったジャンヌ・モローの若き頃の米国西部劇出演作『モンティ・ウォルシュ』も観た。感想はそのうちに。

 ともあれ本日は72回目の敗戦記念日だ。東京新聞の一面は〝平和の理想 まだまだこれから〟の横幕・大見出し。小見出しは〝満州引き揚げ 言葉重く きょう終戦の日〟である。連載の「平和の俳句」は英文学者、小田島雄志氏((以下、敬称は略させて頂く)の<八月に母國という語を抱きしめたい>。大見出しの文章は小田島となかにし・れい、へのインタビュー。昨夜の夕刊は、国谷裕子と森 達也の対談の上・中・下の三回に分けた記事の下。この対談が本日の72回目の8月15日に向けて行われたことは明白。これを熟思することは、この72年目の〝敗戦〟の日に何事かを考える切っ掛けになるだろう。併せてアカショウビンは引っ越しの段ボールから出て来た三島由紀夫の『若きサムライのために』(昭和44年7月日本教文社から刊行、1996年11月、文春文庫から発刊)所収の三島と福田恆存の対談も読みながら考察しよう。  きょうはこれから新宿へ『海辺の生と死』を観に行く。

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2017年8月 4日 (金)

極上の録音と演奏

 しばらく聴いていなかったCDを早朝に取り出し音を出すと少し鬱気味の心に沁みて馥郁とした気持ちに満たされた。音楽を聴く悦びはかくの如し。偶然が齎す奇跡の如きものである。曲はモーツァルトの弦楽四重奏曲第14番 ト長調K387。来日したウィーン・フィルのメンバーが1971年埼玉県の川口市民会館で録音したものである。引っ越しで先ず第一にセットした極上とはいいかねるオーディオから奏でられるモーツァルトの音楽は装置の不十分を補って余りある。このレコードは1973年にウィーンのモーツァルト協会がウィーン笛時計賞に選定した。録音の経緯は当時のトリオ(現在のケンウッド)の役員であった中野 雄氏が書いておられる。それは何とも読む者が日本人として誇らしい気持ちになる経緯である。K387のあとはK465の「不協和音」。これを契機にモーツァルトの室内楽を聴き日頃の憂さを晴らそうではないか。

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2017年8月 2日 (水)

追悼

 ジャンヌ・モローとサム・シェパードの訃報が伝えられた。いくつかの作品を観て刺激を受けた者として作品を思い出しながら追悼しよう。
 先ずはジャンヌ・モロー。若い頃から好みの女優というわけではない。しかし、フランスを代表する女優の一人である。その存在をスクリーンで正面し捉えなければならない。記憶にいくらか甦るのは『小間使いの日記』(1963年 ルイス・ブニュエル監督)だ。鼻っ柱の強い、小間使いをよく演じて、なるほどこれは独特の個性であるなと納得した。『死刑台のエレベーター』(1957年)はマイルス・デイビスの音楽の方が有名になった感もあるがルイ・マル監督のファンとしては監督作品の新たな刺激としても観直したい作品だ。老いても活発に活動しておられたようで新作を一昨年くらい前に観た。気骨のある老婆を演じて恐れいったものだ。
 サム・シェパードは病との格闘が意外な印象として新たな感慨をもった。病は筋委縮性側索硬化症。徳田虎雄と同じ難病だ。それは過酷な病であることは徳田の闘病をテレビや書かれた本で少しは知った。劇作家としての仕事より俳優としてアカショウビンは関心をもった。『ライトスタッフ』(1983年 フィリップ・カウフマン監督)は面白く観た。宇宙飛行が戦闘機乗りの経験から科学的データの積み重ねで現実化した経緯を巧みに描いた佳作だ。
 ジャンヌ・モローは享年89歳。倒れているのを家政婦が見つけたというから、家族に看取られての大往生というわけでもない。サム・シェパードは73歳だったろうか。こちらは病との闘病での辛い、厳しい最期と思える。此の世での映像を介したご縁だが心から哀悼の意を表したい。近いうちに出演作品を観て感想を書く機会もあるだろう。

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