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2017年6月18日 (日)

団地の長閑な日曜日

 ここのところ朝が肌寒い。しかし日曜日の朝はアルバイトの仕事疲れを貴重な時である。この数年はNHKラジオの「音楽の泉」を聴くのが習慣。今朝はベートーヴェンの〝三重協奏曲〟だ。かつて巨匠たちの共演として評判になった録音である。解説の皆川さんによるとベートーヴェンの作品のなかではベートーヴェン風が空回りもしている作品という。しかしこの十年くらいアカショウビンには繰り返し聴いて厭きない愛聴作品なのである。それは本日の録音(カラヤン指揮ベルリン・フィル、リヒテル、オイストラフ、ロストロポーヴィチ)ではなく、フリッチャイ指揮、おや、おや、オーケストラがどこだったか、ソリストはアンダ、シュナイダーハン、フルニエは間違いないだろう。本日の録音は学生時代にレコードで聴いて以来。あらためて聴くとそれほど悪くない。しかし録音時のエピソードを何かの本で読むと、それは面白いが嫌いなカラヤンのバックでは敢えて聴くこともない。フリッチャイのほうが遥かに好もしい。この頃のベートーヴェンは交響曲第3番〝英雄〟を書きあげ正に次のウィーンの音楽界から西洋音楽を担う勢いをもっていた頃だ。この作品にもそのエネルギーが満ちている。2楽章の速度指定は皆川さんの解説によればア・ラ・ポロッカ。ポーランドの舞曲ポロネーズ風に。ここのところがアカショウビンほ実に好きなのである。ショパンの作品で馴染んでいるためかもしれない。

 天気はよくないが新居の団地の周辺は鳥たちの囀りも好ましい。穏やかな日曜日だ。昨日の夕刊には今年公開された『聖の青春』の試写会でコメントを述べた将棋棋士、森 信雄七段のインタビュー記事も掲載されていて興味深く読んだ。現役を引退するということだ。65歳。アカショウビンと殆ど同世代といってもよい。将棋にのめりこんでいた学生時代から名前は存じていた。同時代を生きた幸いを心から言祝ぎご苦労さまと言いたい。コメントを述べる広い試写会会場では遠目だったが飄々とした関西弁のコメントがお人柄を実感させた。記事中で「僕自身も実力がなく、、奨励会に拾われた人間。だから出来が悪くても、一生懸命やる子なら引き受けたくなる」の言や好し。優れた師弟関係とはいいものである。ダメな師匠と優秀な弟子、優秀な師匠とダメな弟子、様々だろう。しかし師弟関係とは親子関係以上のものがあるのではないか?それは血縁という形而下と形而上の違いとも言えるかもしれないが。『聖の青春』はレンタルショップで貸し出された。将棋ファンでなくとも一人の将棋棋士であり世間的に言えば短い人生を終えた若者の一生を観る者それぞれに思索を促す作品に仕上がっている。多くの人にお奨めしたい。

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