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2016年12月20日 (火)

死に向かう日常

 築地の国立がん研究センター中央病院へ月に一度の定期検査へ。本願寺前を歩くと歳末の活気はあまり感じられない。それでも24時間営業の寿司チェーン店の看板は相変わらず。病院に到着し診察を待つと珍しく早く呼ばれた。主治医のY医師は手術跡を触診し鼻からカメラを入れ見る。変わりはないと言う。来月の診察日を決める。そそくさと終わりそうなので質問。明快な回答を得て診察終了。何とも流れ作業の一環というのは毎度のことではある。1時間は待たされるつもりできたので拍子抜け。院内は高齢者が多い。車椅子で移動する初老の男。カメラを入れる前に吹きかける液体が残っているのを一階の売店で買ったジャスミン茶で流す。目の前を点滴を右手で支えた若い女性患者が足早に過ぎる。
 久しぶりだ、市場をぶらついてみよう。入院している時には朝晩見下ろすのを楽しみにしていた景色だ。
 市場に入ると地下鉄の駅から病院までの通りの様子とは一変。外国人観光客で前に進むのも一苦労だ。それに何と新しい橋が架かっているではないか。新たに建てられている建物の中を好奇心に駆られ観て回った。店頭売りしていた長崎産の煮干しを買う。いつもスーパーで買っているのより安い。ぶらぶら歩きながら食べる。以前の仕事での定番のコースを辿り波除神社へ。黒人男と白人女のグループが陽気に記念撮影をしている。平日の昼前の市場の活気はいいものだ。五輪に向けてますます賑わうことだろう。アカショウビンが此の世からいなくなったあとも。
 昼メシに目当ての店へ行くと貸し切りという。少し腹をたて天丼屋へ。近くの席で金髪の若い男と日本人の若い女と中年男のグループが話している。フィッシュアンドチップスと言うのが聞こえたからイギリス人かもしれない。自分の食べている煮干しとフィッシュの音が交差した。フィッシュアンドチップスというときまって開高健の書いた話を思い出す。酒好きの開高がロンドンの街中でビールかウィスキーを飲みながらツマミにフィッシュアンドチップスが見事によくあうという文章だった。外国生活もしたような若いかわいいけれど頭の悪そうな女の笑い声と会話を聞くともなく聞きながら安くておいしい天丼を食べ終えた。
 夕方に知人と東京駅近くの事務所で会うまで時間があるのでぶらぶら歩く。萬年橋の木製のベンチで休憩。地下鉄の東銀座からお茶の水まで移動。中古CDショップでCDを物色する。少し関心のあるピアニストなのだ。その話は新たに。冥土の土産は多いほうがよい。

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