« くぬぎの木と泉 | トップページ | 病室スケッチ »

2016年8月29日 (月)

月曜日、朝の築地

  月曜日の朝。空は曇りリバーサイドの高層ビルや遥か彼方の景色はターナーの風景画のようにくすんでいる。14階の食堂から見下ろす築地市場は、きのうとうって変わって動きが活発だ。この時間、海外からの観光客は少ないだろうが市場の労働者は忙しなく独楽鼠のように働いていることだろう。江戸時代も現在も食の要の場所というのは活気があっていいものだ。観光客が市場を訪問見学したがるのも洋の東西を問わず食は人間最大の関心事の一つということだろう。アカショウビンも海外へ行ったときは市場を見るのが楽しみだった。韓国の釜山の市場は小母ちゃんたちが陽気で元気だった。こちらが日本人だとわかると刺すような視線もあったはずだが。東南アジアの市場も活気にあふれていた。カニに指をはさまれて大声をあげたのも懐かしい思い出だ。あれはタイのバンコクだったか、ベトナムのホーチミンだったか。

  朝の回診は主治医のY医師がチームを引き連れて風のように訪れ去っていった。寸秒が惜しいかのように。停滞してはいられないのだ。それは現代という時代でビジネスチャンスを逃すことなのだ。医療も同じ。がん患者はどんどん増えている。次の患者の治療に停滞していては一つの命を救えないということなのだ。朝の診察で前頸の血抜きの管が抜かれた。右肩がだいぶ楽になった。手術から5日目。身体は少しずつ回復しているのだろうが気分はどんよりしている。

  東京湾から戻る屋形船が隅田川をゆるゆるとのぼっていく。この時間に客は乗っていないだろう。あいにくの天気だが昼にむけて市場も人が増えてくるだろう。こちらは部屋で一休みだ。

|

« くぬぎの木と泉 | トップページ | 病室スケッチ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/111335/64126062

この記事へのトラックバック一覧です: 月曜日、朝の築地:

« くぬぎの木と泉 | トップページ | 病室スケッチ »