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2016年8月30日 (火)

病室スケッチ

 四人部屋には必ず変な人が一人いる、というわけでもないだろうが、少なくとも昨年と同じ状況に現在もある。アカショウビンの部屋は入り口から見て窓側の左である。トイレは入り口の右側。その隣の人が去年も変な輩だった。夫婦というが、どうみても親子の歳の差である。母親と息子という。妻は大阪弁で傍若無人。夫はわがまま。妻に頼り放題。他の患者に何の遠慮もない。今回は色の浅黒い中東人風。聞けばネパール人らしい。禿頭で無表情。一種、不気味である。検温のときに看護師と会話の中で笑いもあるから悪人ではないらしい。しかしロレツの回らない頼りなげな大声を出す。アカショウビンはネパール人を差別し差別される立場にはない。しかし他の患者がいるのに携帯電話で家族らしき女性に哀れな声で話すのは男として人間としてあまり好きになれるタイプではない。はなはだ迷惑である。この傍若無人さは昨年の夫婦といい勝負だ。周囲が見えなくなる時が人にはある。しかし看護師に何度も注意されながら平気で大声で話す。その神経がアカショウビンにはわからない。

 本来なら簡単な挨拶くらいするものだろうが、それは去年の病院でもなかった。それは四人部屋の病室の暗黙の了解なのかもしれない。しかし日本人の人情くらいは彼に伝えたいと思うが。ネパール語というのはインド語圏なのだろうが、フニャフニャしているうえに彼自身の滑舌が手術のためか明瞭でない。それに病で不安なのであろう、声が助けを乞うように情けない。したがって、あまりこちらから話しかけてひとつネパールの面白い話でも聞きだしてやろうという気分にならない。

 これも築地の市場を眺めながら書いているのだが、低い雲が形を変えて陽が射してきた。台風10号は過ぎたようだ。新聞はブーメラン台風と命名していた。東北の稲作は大丈夫だろうか。山形のコメはやられてないだろうか。

 朝の診察で、午後には飲み込みのテストをして大丈夫なら水と流動食に切り替えるとの説明。明日は“抜鈎”するとも。ばっこうと読む。喉の回りを切って縫い合わせ留めた金属を取り除くのである。鏡で見るとホッチキスの針のようなもので傷口を止めてある。それが鈎なのだ。何とこのパソコンですぐに変換されたのにびっくり。

 雨もあがり、築地の場内は運搬車、バイク、軽トラ、大型トラックがゆっくり動き回っている。豊洲移転の時期を小池新都知事は見直すと述べているらしいがどうなることやら。

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