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2016年7月28日 (木)

どれくらいの苦しみ

 都内の総合病院へ行き、下咽頭ガン手術のための心電図異常の再検査結果を聞く。手術は可能という診断だった。それはともかく、来週2日に手術する膀胱がんの手術内容を説明する本に病院施設の小さな図書館で、ざっと目を通した。気分が萎え気持ちが滅入った。最悪の場合、膀胱全摘である。担当の女医は内視鏡手術になると説明したからそれはないだろうが、排尿困難、勃起不全など様々な障害がありうる。たとえ手術が成功しても次は下咽頭ガンの手術だ。残りどれくらい生きられるのか、という不安より、あとどれくらいの苦しみが待ち構えているのか、というのが正直な心境だ。
 そのなかで、やっとありつけたアルバイトで少しの光明は射してきた。これを活路として残り時間を少しでも活性化しなければならぬ。読書意欲にも欠けるが熟読すべき本は棚に並んでいる。繰り返し聴かねばならないCDも。新作映画も未見の作品もレンタルショップには埋もれている。先日はウッデイ・アレンの「影と霧」が面白かった。娑婆での楽しみはまだある。
 先日、昨年暮れに脳内出血で倒れ、入院、リハビリで闘病中の学生時代以来の友人M君とも半年ぶりに再会した。お互い人生後半戦は過酷になっているけれども、将棋・囲碁での凌ぎ勝負の段階に直面している。最善手は指せず打てぬとも次善手を捻りだし局面を打開したい。

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2016年7月22日 (金)

病院から病院へ

 先日、セカンド・オピニオンを受けた病院で下咽頭ガンの治療をすることになり、内視鏡検査で組織の生検をとった。同時に各検査を行ったら心電図に異常ありの診断。同院には循環器科がないため他病院で精査するようにとの指示だ。そのため本日は地下鉄で昨年胃ガンの手術をした病院を訪れた。同院では8月2日に膀胱がんの手術をすることになっている。久しぶりに同院まで地下鉄駅から歩いた。途中、その頃は紫陽花が美しく咲き誇っていたが既に花は散っていた。
 膀胱がんの主治医にも再会。循環器の医師と連絡を取り段取りをしてくれた。改めて心電図を取り医師の説明のあと血液検査。7ccの採血、そのあとは心臓の超音波検査だ。何かと慌ただしい事である。娑婆にそれほど未練はないけれども、しがらみは少なかれある。しかし消耗する体力はアルバイトの作業で少しは鍛えられもするかもしれない。
 昨年の胃がんの手術以来、今年の引っ越しとアカショウビンの日常はまたも慌ただしくなった。三つのがんを抱える現実は何の因縁か。前世の報いと仏道は説くのであろうがそれ如何に。縁起説は改めて仏典にあたらなければならぬ。とりあえずは、現代医療の世話になるしかない。

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2016年7月20日 (水)

日銭を稼げ

 本日からアルバイトで久しぶりに労働で日を過ごす。この二日、これまた久しぶりに不眠に悩ませられた。昨夜も眠りに落ちたのは明け方近く。7時30分に家を出るため6時過ぎには床をあげた。
 朝、工場まで同行してくれる人と駅の改札で待ち合わせる。もう一人、若い女性もいた。彼らとバスに乗り工場に向かうとき奇妙な錯覚に襲われた。それは以前、中国の田舎にある工場に向かうバスの車中にいるような。青島だったかのホテルから埃っぽい田舎道を私はかつて仕事でバスに揺られ目的の工場に向かう。日本企業の中国の協力工事は殆ど田舎にあった。日本に比べれば格安の労働賃金で経営者たちは企業利益を出していたのだ。工場近くには社員寮があり、窓の外には色とりどりの洗濯物が干されていた。日本の小奇麗で近代的な建物とは異なった景色は退屈な小旅行のなかで暫しの眼の安らぎだった。ところが、きょうの朝のバスから見る景色は、それとは異なる狭い日本の首都のはずれの狭苦しい道路である。

 巨大な工場に到着すると最先端のピッキング機能を供えた作業現場に案内された。

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2016年7月 2日 (土)

最近の試写会から

 いつもお世話になっているN君から試写会のお誘いがあり、都内のホールで観て来た。『シング・ストリート』(ジョン・カーニー監督)。アイルランドのダブリンを舞台にした音楽物語である。佳作の仕上がりだ。高校生たちの成長潭だが中高年の鑑賞にも耐える。

 1985年のダブリンは大不況。主人公の家族も経済苦に見舞われる。何度も家族会議を開き殆ど家庭崩壊状態。その主人公をはじめ両親、兄妹の生活が丹念に描かれる。それが実に面白い。ダブリンの宗教的な区別のある高校事情も知られる。不仲の両親は離婚寸前。主人公の兄はドイツの大学への留学を親に止められ引きこもり状態。主人公は学費の安い荒れた高校へ転校させられイジメに。どこの国でも学級崩壊の様子は大同小異。そのなかで主人公は音楽で仲間を集め恋愛もし逞しく活路を見いだす。それを頼りがいのある兄が強くサポートする。その過程が観客を作品に魅入らせる。音楽映画としてナカナカの出来である。アカショウビンは昨年DVDで観たクリント・イーストウッド監督の『ジャージー・ボーイズ』を思い出した。さっそくレンタルショップに出かけたが全部貸し出し中。9日から公開されるので音楽ファンには特にお奨めする。

 その前に観た『トランボ』(ジェイ・ローチ監督)は7月22日に公開予定。1940年代から1950年代に吹き荒れたレッド・パージ(赤狩り)、反米共産主義者弾圧運動を丹念に描いている。脚本家、ダルトン・トランボは他の映画人たちと共に下院非米活動委員会(HUAC)の公聴会にかけられ証言を拒否し投獄される。アカショウビンは若い頃に観た『ジョニーは戦場に行った』に強い印象を受けた。ベトナム戦争の兵士の悲惨を描いた作品でこれが当局の様々なチェックを受けたのは推測される。若松孝二監督が『キャタピラー』という作品でこれをパクッたことは以前に書いたので繰り返さない。この作品の売りは名作『ローマの休日』の脚本は実はトランボが書いたのだという事実も伝えることだ。ハリウッドで干されたトランボは実名を出すことはできなかったが脚本の注文はあったのだ。『スパルタカス』、『パピョン』などの作品もトランボの脚本がその成功の原因でもあると思われる。

 現在、公開中の『帰ってきたヒトラー』(デヴィッド・ヴェンド監督)は、原作が2012年にドイツで200万部のベストセラーを記録した鳴り物入りの作品。アドルフ・ヒトラーが現代に甦ったら、という設定が奇抜。若い人にはドイツの歴史を辿る契機になるかもしれない。ヒトラーという怪物をコミカルに描いたのも監督の才覚がわかる。

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