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2016年6月 1日 (水)

新名人誕生

 「名人長二」で志ん生は橋本雅邦の龍虎を描いた作品を見た時の驚きを枕で語る。それが何とも面白い。志ん生の語りでそれを聞く私がまるで雅邦の作品を目の前にしているような気持ちにさせられるからだ。それで私は勝手に雅邦の作品を想像し志ん生の声と語りで生き生きと噺のなかに入り込んでいく。それは二人の名人の芸を楽しむが如しである。

 先日、将棋名人戦七番勝負の第五局目で新名人が誕生した。羽生善治名人を佐藤天彦八段がA級昇格一年目で名人位を奪取したのだ。これは谷川浩二(以下、敬称は略させて頂く)、羽生に次ぐ史上三人目の快挙。これにはアカショウビンを含め多くのファンが驚いたことだろう。佐藤がタイトル戦しかも名人戦で羽生を負かすのはもっと先の事と見ていたからだ。しかし今や安定期に入った羽生にとって昇り調子の若手ほど怖いものはないことは本人がもっともよく知っていたと思われる。実力の内容を計っているうちに負けてしまったという側面もあるだろう。しかし勝負の世界で負けは負け。将棋界はここで新たな主役級が登場し力の構図が変わった。

  名人という称号は芸事でもそうだろうが将棋界では特に絶対的な重みをもっている。それは米長邦雄が中原 誠に何度も挑戦し、その実力は棋界の内外で認められていながら勝てなかったのを名人位には将棋の女神の微笑みが不可欠と述べたことでも特別、格別なものとされている。

 佐藤新名人はひと晩明けてマスコミの取材攻勢を受けてんてこ舞いだろう。朝、起きるとぼくは有名になっていた、というところか。名人位は将棋界のカオである。公私ともに人間的器量が要求される。羽生もそのなかで現在がある。羽生との勝負にしてもこれからさらに熾烈な戦いが続けられるわけだ。そこでひと皮もふた皮も剝けた本当の名人が歴史に名を残す。アカショウビンもこれらの戦いを見るのは娑婆の楽しみで冥土への土産話になることまちがいない。

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