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2016年6月 3日 (金)

家に棲む

 故郷を出てからは高校の寮、大学、社会人になってからはアパート暮らしを続けてきたアカショウビンにとって一戸建ての借家・居候は初めての経験である。ハイデガーは「存在(有)は家に住む(棲む)」と譬えた。昨日は庭にゴーヤー(ニガウリ)を植え今朝は庭の木々にたっぷり水をやった。晴天の本日、さぞや植物たちは嬉しい声をあげているかもしれない。我が身も散歩と水やりで身体を動かした。

 一昨日のペット検査で喉のリンパ節に下咽頭ガンの転移が確認された。治療方針は二つ。外科手術と放射線・化学療法(抗がん剤)だ。主治医によるとアカショウビンの場合、泌尿器に異常があり、抗がん剤は難しいとの診断。来週早々の泌尿器カメラ検査を踏まえて治療方針を決定しようということになった。少し落ち込んだ。

 帰りはバスで大学図書館まで行き本を借りて来た。先日、通読したハイデガーの「人間的自由の本質について」に続き、読みさしの「論理学の形而上学的な始元諸根拠」、「「ブレーメン講演とフライブルク講演」、「根本諸概念」。二週間で読み終えられるかどうか。とにかく落ち込む気分を立ち直らせるには読書に集中するべし。

 人が家に棲むということは周囲の環境の中で暮らすということである。空と大地の間に神々と存在者(死すべき者たち)は棲む、と後期ハイデガーは四方界という概念を思索した。私という現存在は鳥、虫たち、植物たちと共存する。そのつかの間の時を大切にしよう。そのうち犬たちもやってくる。彼らと共にアカショウビンも余生を楽しもう。

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