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2015年10月 7日 (水)

体験版 医療の現在Ⅱ‐⑧

 月曜日の朝にレントゲン室へ。それだけと思ったら手術台のようなベッドに寝かされた。すると、さっさと何やらの処置にかかるではないか。「少し苦しいけど~」と医師が言っていた処置だ。鼻から内視鏡を入れて胃と小腸のものやガスを吸い出すという医療技術だ。しかし鼻の奥に麻酔をしただけ。器具が鼻の奥から喉、食道、胃、十二指腸、小腸と入っていく苦痛は我慢ができない。大声をあげて叫んだ。途中、気分が悪くなり器具を操作している女医に胃液を吐き出した。「拷問だ」と憎まれ口を叩く。入院以来、初めて怒りが噴き上がった。

 このやろう(一人は女性だが)、人の身体を玩具のように扱いやがって。覚えていやがれ、聞えよがしに悪態をついてやった。医者といって若造がえらそうな顔をするんじゃねぇ。たまには採血で失敗もするが、看護師さんのほうが、よほど気を配り献身的に仕事をしてくれる。それを医者は何だ!権威面しやがって!アカショウビンは何が嫌いかといって、えらそうに自分の地位をひけらかしている奴が何より嫌いなのだ。

 処置は一時間足らずで終わった。それにしても叫び足りなかった。少し抑えてしまった。修行不足である。

 トレンバッグという透明のビニール袋には胃腸から管が鼻を通して外に排出される仕組み。全部出してしまうのには約1週間かかるという。喉の奥を通る管の違和感、不快感で不自由このうえない。

 看護師のIさんが着替えを手伝いにきてくれる。熱いタオルで背中を拭いてくれる。気持ちよい。このひと時、看護師の仕事は、えらそうな医師たちとは天地の差がある。

 アカショウビンより後から入室してきたSさんは、午前中に退院していった。順調な人は順調なのである。夕方、昼勤と夜勤の看護師さんが交代する。本日で入院してから既に3週間が過ぎた。

 近代医療という点に関していえば、この鼻や胃からの内視鏡は科学技術の成果のひとつだ。しかし、これは果たして根本的な進展といえるだろうか。心臓までカテーテルが届き心臓疾患が治療されるとして、それが根本的な進展だろうか。それは大いなる進展ではあっても、根本的な進展とはいえないだろう。

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