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2015年10月18日 (日)

体験版 医療の現在Ⅲ-①

 食事再開3日目。相変わらず重湯とスープまたは具のない味噌汁。これでも腹いっぱいだ。何せ点滴と併用なのだから。今朝、体重を測ったら、49.7㎏。少し太っている。点滴で太るとは驚きだ。本日は午前10時から午後3時まで停電。楽しみの将棋、囲碁番組が見られない。読書で気を紛らす。

 点滴と手術時の麻酔、これは現代医療技術の進歩の大きな原動力だろう。フーコーは『臨床医学の誕生』(1963)で次のように記している。「現代医学は、その生誕期を18世紀末の数年間、と自ら規定した」(p5)。同書は、そのフランス革命前後の半世紀の空間、言語(ことば)、死に関する思想空間の変動(再構成)を解き明かした書だ。点滴と麻酔の技術については、フーコーの書が出てからも眼を瞠る進歩を遂げただろう。アカショウビンの命もその賜物である。

 東洋医学に対する西洋医学は、淵源はギリシア時代まで遡れても現代西洋医学は18世紀の末以降ということになる。この病院もその成果の一つといえる。しかし本日の停電を例にとれば最先端の設備を備えていてもいったん事故が起きれば脆さを露呈する。電気なしで近代は成り立たない。文明とその恩恵で生きる人々は何とも際どいところで生を維持しているわけだ。

 手術前の体力近くに戻るのにあとどれくらいかかるのか。

 それにしても、この病室の患者は他人の気を使わない。今朝も7時前から家族がきてコテコテの関西弁でぺちゃくちゃ話す。あるいはヒソヒソ話だ。それが迷惑になるという神経がはたらかない。あるいは知りながらの確信犯だ。母親みたいな「妻」と、あそこが痛い、そこが痛いとわがままな亭主。それをひとつひとつ応えてあげる「妻」。けったいな夫婦である。隣の紳士は夜中の鼾がひどくてアカショウビンは睡眠不足。昼も高鼾である。本人はそんなこと知りもしないだろう。

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