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2015年5月 3日 (日)

飢餓海峡

 

「飢餓海峡」(内田吐夢監 昭和40 東映 182分)を久しぶりに観直した。水上 勉の原作を内田監督が重厚で見事な物語に仕上げた日本映画の金字塔である。代表作「宮本武蔵」は吉川英治の原作を映画化した4部作。アカショウビンはこれを学生時代に池袋の文芸坐で観てすぐにファンになった。後に「飢餓海峡」を観てモノクロで戦後の日本を原作の中に戦後の風景を映像化した手腕に改めて映画監督魂というものに敬服したのである。  

前回観た時の物語展開は殆ど忘れていた。改めて観ると初めて観るように思えるから不思議だ。名作は時を経て繰り返し観て新たな発見がある。それは優れた芸術作品に共通する真理である。

この作品は何と言っても、三国連太郎、伴 淳三郎の出色の演技がすばらしい。若き左 幸子も初々しく女性の色気と恥じらい、したたかさを演じて秀逸。富田 勲の音楽も場面、場面で見事な効果をあげている。内田監督の演出もさりながら物語の多層性を見事に描き構成した。巨匠の面目躍如である。戦後の東京の焼け跡で生きる人々の姿もきっちり織り込んでいる。高倉 健もヤクザ・任侠映画に出る前に内田監督に鍛えられたのだ。藤田 進の貫録も見事だ。多くの人々にご覧いただきたい傑作である。

 

 

 

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