« 恩師と同窓生の帰朝報告を聞く | トップページ | 物理学と技術 »

2014年10月 7日 (火)

バッハの無伴奏パルティータ

 朝のBSのクラシック番組でバッハの無伴奏パルティータ2番を堀米ゆず子さん(以下、敬称略)が演奏している。これは以前に見た再放送。美しい音色だ。しかしアカショウビンにとって、この作品「無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ」はヨーゼフ・シゲティの録音が決定的な経験として骨身に沁みている。大学浪人をしている頃に中野の三畳の下宿で聴いた。浪人生活の不安の中でレコードで聴いた此の作品と録音は或る一筋の光となって怠惰な日常に射しこんだ。それは何か救いのように、あるいは何か絶望から希望という恩寵といった可能性を開示するように訪れた。荒削りの仏を刻むような演奏だった。美しく練り上げられた演奏でなく、バッハの核心に遮二無二迫る演奏とでもいうような。以来、幾つかの録音を聴いたがアカショウビンにとってはシゲティ盤が決定盤である。そのレコード盤は何度かの引っ越しで失われた。しかしその後、CD盤を購入し、たまに聴く。すると、その頃の体験とバッハ作品の深淵のようなものが沸々と此の身に溢れてくる。シゲティのバッハに出会った経験はアカショウビンにとって至上のものなのである。それを堀米の演奏で想い起こした。

|

« 恩師と同窓生の帰朝報告を聞く | トップページ | 物理学と技術 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/111335/60436326

この記事へのトラックバック一覧です: バッハの無伴奏パルティータ:

« 恩師と同窓生の帰朝報告を聞く | トップページ | 物理学と技術 »