« 近代美術 | トップページ | 存在と時間 »

2013年9月14日 (土)

上野の西洋美術館へ

 連休初日の土曜で人出が気になったが上野の国立西洋美術館まで出向いた。何でも第2・第4土曜日は常設展が無料で見られるという情報をキャッチしたので。 

 1階と2階は「ル・コルビュジエ」展が広く展示されていて16世紀から近世までの常設作品はいつもと違う場所。だが逆にこれも新鮮。入場者の多くの関心はル・コルビュジエなのだろう。そのためか常設作品は来場者も少なくゆっくり見られたのは幸いだった。

 本日の収穫は、ティツィアーノの「洗礼者聖ヨハネの首をもつサロメ」(2011年購入)が新収蔵作品として展示されていたのを見られたことだ。午後5時30分の閉館ちかくで慌ただしく見て回っていた時だったからだが注視した。なんとも、ふくよかなサロメだ。ヨハネのどす黒い生首と侍女と思われる女の妖艶な表情。サロメの白い明るい肌の対比があざといほどに見事だ。サロメのイメージは、鋭角で華奢な風貌という先入観があったからだ。それはさらに作品と正面し、こちらの全身で応じなければ寝ぼけた精神には響かない。いくらか時間がとれたのは幸い。次回が楽しみだ。

 ピーテル・ブリューゲルの「鳥罠のある冬景色」がじっくり見られた。隣にはヤン・ブリューゲルの「アブラハムとイサクとのいる森林風景」。イタリアからパリに戻っての作品という。これも絶品。2階にはカルロ・ドルチ(1616~1687)の「悲しみの聖母」(1655年頃)とも久しぶりに対面。神品のオーラを湛えた作品と感嘆するしかない。ジョルジュ・ド・ラ・トゥール(1593~1652前半)の「聖トマス」(17世紀前半)も久しぶりに堪能した。

 彫刻ではブールデルの「弓を引くヘラクレス」(1909年・松方コレクション)の習作がある。それに「首のあるアポロンの頭部」(1900)、アカショウビンはブールデル大好きなのである。ロダンよりも。他に「横たわるセレネ」(1917)。こちらも素晴らしい。「ヴェールの踊り」(1910)も。サロメのイメージはこちらのほうが何となくしっくりくるのだ。ティツィアーノは、それはそれで見事だけれども。それにマイヨール(1861~1944)の「夜」(1902~1909)が展示されていたのも幸い。1987年に購入された由。外の景色も眺められる空間は心地良し。3時間では半分も見られない。次回は午前中から腰を据えたい。それにしても久しぶりに心安らぐ時空間に浸れた。「ル・コルビュジエ」展までは時間が足りず。連休初日のせいなのか人出はそれほどでもなかったのは幸いだった。

|

« 近代美術 | トップページ | 存在と時間 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/111335/58192407

この記事へのトラックバック一覧です: 上野の西洋美術館へ:

« 近代美術 | トップページ | 存在と時間 »