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2013年3月 9日 (土)

I・T君へ

 きょう、高校以来の同窓生の映画好きのN君から只券を頂いてN君と今年のアカデミー脚本賞他を受賞したクエンティン・タランティーノ監督の「ジャンゴ」を観てきたよ。我々が中学時代に夢中になったマカロニ・ウェスタンへの監督のオマージュという触れ込みの作品だから観られずにはいなかったのだよ。3時間近くの長尺だが多少の冗長さを感じただけで面白く観られたのは監督の手腕といってもよいだろう。監督が若い頃に観たという「続・荒野の用心棒」に主演したフランコ・ネロも出てくる。久しぶりに、中学時代の記憶が走馬灯のように想い出されたよ。ゴールデン・グローブ賞とアカデミー賞の受賞部門が脚本賞と助演男優賞で共通していることは偶然のようにも思われない評価だと作品を観て思ったね。確かに妥当な評価だと思えたのは小生の単なる思い込みに過ぎないだろうが、それは観てのお楽しみにしておきたい。

 しかし、それほどの高い評価の作品としても、マカロニ・ウェスタン(これは淀川長治さん《(以下、敬称を略させて頂くけれども》の命名らしいが、米国ではスパゲッティ・ウェスタンと蔑称されていたらしい)へのオマージュとしては100%納得するわけにはいかなったね。それは小生が、その後も亡くなるまで関心を持ったセルジオ・レオーネという監督の作品にはあったカッコ良さと、英語ではヒップというらしいが、日本語では粋とでも云いたい品がなかったのが残念だったのだよ。C・イーストウッドやリーヴァン・クリーフの品格とも風格とでも言いたいカッコ良さがなかったのだね。それはないものねだりだろうけど、今は亡きリーヴァン・クリーフや未だ健在のC・イーストウッドの感想を聞いてみたいと切に思ったよ。

 それはともかく、君も劇場まで足を運び映画なんて観ることは殆どないようだけど、我々が夢中になった中学時代の幾つかのシーンがフラッシュ・バックされたことを言祝ぎたいのだ。作品は、いずれレンタルDVDになるだろうから是非観て頂きたいと思う。しかし、やはり映画は観客の一人として劇場で楽しみたいものだ。お仕事は忙しいだろうが、たまには息抜きして少年時代の思い出に浸ることも悪くないと思うよ。

  一つ面白かったのは冒頭の音楽に監督は「さすらいのジャンゴ」という曲を英語版で使っていることだったね。アカショウビンはあのイタリア語をレコードで繰り返し聴いて覚え、我々が共に夢中になったジリオラ・チンクェッティのカンツォーネにも親しんでいったわけだ。小生は、それが昂じてイタリア・オペラにまで、のめりこんでいったけど、それは亡きS次郎を含めて、その後のそれぞれの人生の違いでしかないだろう。

 しかし中学時代に夢中になった、いろいろな事は此の歳になっても時に鮮烈に甦ることが不思議だよ。10月に故郷に帰られるかどうか分からないけど、帰られたら少年時代を過ごした場所を辿りたいと思うけど、そういうノスタルジーはセンチメンタルに過ぎるかもしれない、と幾らか反省もするような分別心もはたらくのは年の功かもしれないね。

 何度も話したけれど此の歳まで生きられたのは余生と自覚している。いずれ我々も鬼籍に入る。その時はS次郎らと昔話と純情な恋物語で盛り上がりたいものだね。

 それはともかく。健康に留意され長生きされ、早く孫の顔をみられることを心から祈っているよ。

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