« 世に棲む不安 | トップページ | 再現することの虚しさ »

2012年6月18日 (月)

神舟と囲碁

 妙なタイトルで恐縮。この2つで日本が中国に遅れをとっていることが歯がゆいのだ。神舟とは中国の有人宇宙船「神舟9号」のことである。中国初の女性飛行士、劉洋氏を含む3人が搭乗している。ソ連崩壊で米ソの冷戦構造が崩れ、米国主導が眼に余る状況で宇宙開発競争もお預け状態。それがいつ間にか中国が米ロの後を追っていた。そして日本は中国に先を越された。かつて天文学者になるのが夢だったアカショウビンには心穏やかならぬ記事だった。一般紙では小さい扱いだったが中国では大騒ぎなのではないか。そういった状況を伝え聞くとアカショウビンも時に俄かナショナリストになるのだ(笑)。先日は将棋名人戦が終了した。しかし将棋界に外国人が参戦するわけではない。日本将棋連盟は海外普及は継続しているようだが、知る限りでは、せいぜい中国が熱心なくらいで欧米で将棋がブームになっているとは聞かない。

 しかし今や囲碁は将棋よりは世界的になっている。そのなかで少なくとも戦後に日本は中国や韓国よりはるかに研究が進んでいた。木谷門下の天才少年たちが続々と輩出し台湾や韓国から天才少年たちが子供の頃から来日。日本で修行してトッププロに昇りつめたのだ。それがどうだろう。この20年であれよあれよ、という間に追い越されてしまった。この数年で日本プロが世界戦で優勝したことは皆無ではないか。例外は井山裕太天元くらいだ。それも勝ち抜き戦ではない。

 週刊囲碁6月25日号の一面でこう報じられている。

 6月6日から14日まで、中国の国内団体戦である乙級リーグが中国厦門(アモイ)市の厦門盛之郷戴斯温泉リゾートで打たれ、日本から参加した「中日友好チーム(趙治勲九段、村川大介七段、伊田篤史三段、一力遼二段)は7戦し5敗2引分で勝ち点2、個人の勝利数は8勝となり16チーム中16位で丙級に降格することになった。(数字は段位以外はアラビア数字に替えた)

 主将の趙は1勝6敗。副将村川、3将伊田は3勝4敗。一力は1勝6敗である。趙はもちろん全盛の強さはないが、それにしても甲乙丙の乙クラスでこの結果である。それはないだろう、というより中国囲碁がここまで層が厚くなり天才レベルがうようよしているという事実を思い知るのである。日本棋院は危機感はないのか。もちろんあるだろう。しかし今や囲碁は世界戦が幾つもある国際ゲームである。そこでこのテイタラクである。

 まぁ、これが日本の現実なのである。都知事が暴言を吐いても、あちらの方が知らぬ間に実力をつけ、尖閣諸島問題で喋々している間に世界で注目されている。AKBにうつつを抜かしている時ではないのだ。世界的な知的レベルの競争に日本は水をあけられている。体格的に劣るスポーツの世界で日本人が欧米、アフリカ勢に負けるのは仕方がないとも言える。しかし囲碁は頭脳ゲームである。しかも長年の歴史的な背景を持つ、ゲームの中でも人間の知性の到達する未知の領域を探ることで他のゲームとは質、量を異にする。

 我々が棲息している此の惑星の未来とも、それは関わってくる。人間の知性が、どのように未来へ橋渡しされるのか?人類の知的レベルと近代で突出した宇宙物理学、科学技術の行方が問われているのだ。科学技術という魔法の杖を人類は、それを将来に向けて、どのように活用するのか。それを我々は改めて問い直し熟考し、回答をださなければならないのだ。

|

« 世に棲む不安 | トップページ | 再現することの虚しさ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/111335/54997797

この記事へのトラックバック一覧です: 神舟と囲碁:

« 世に棲む不安 | トップページ | 再現することの虚しさ »