« 日々愚想 | トップページ | 渡世に関するメモ »

2012年2月14日 (火)

女性的なベートーヴェン

 売り出し中の女性ピアニストのリサイタルの批評を新聞で読んだので演奏された作品を続けてCDで聴いた。ベートーヴェンのピアノ・ソナタは本当に久しぶり。しかも作品14と作品27。通し番号で云えば9番と10番。調性はホ長調とト長調。それに作品27の2曲。こちらは13番と14番で調性は変ホ長調と嬰ハ短調。14番は有名な「月光ソナタ」である。作品14は若い音楽家の自由な発想が溢れ若きベートーヴェンの世界が新鮮でもある。評者によれば「ベートーヴェンの音楽に秘められていた女性的情感が現れた。」と書かれている。

 CDの演奏のホ長調の作品14のアレグロは出だしがせっかち。これはもっと違う演奏のしかたがあると思う。演奏者はバックハウス。昔の音楽雑誌の番付では必ずベスト3には入る全集だから畏れ多い感想であるが。しかし初期の幾つかのベートーヴェンの演奏にバックハウスは老いの為か、あるいは、それが自分の解釈とでもいうのか、何ともそっけない。それは作品13になるといくらか共感できるが、いかんせんアカショウビンも若い頃からあまり聴きこんできたとはいえない作品である。専門家が聴けば、また違うのかも知れない。まぁ、演奏家の好き嫌いを言いたいわけではない。これから大家へ登りつめようとしている俊才の選んだ作品を好奇心で聴いてみただけだ。

 しかし、女性ピアニストが選んだ選曲として評者が書くように、そこには技法上のあるいは演奏者の考えた構成や意図があるのだろう。

 それはともかく。バックハウスの「月光」ソナタは非の打ち所がない名演と思う。これは録音も他の演奏と空気が違う。演奏年は確認していないが、この全集の中でも早い時期のものかもしれない。他の演奏と違って技術に不安定さやふらつきがない。完璧な演奏と言ってもよいと思う。

 その演奏会は半年サイクルで進行中のベートーヴェン・ピアノ・演奏会の第3回だそうである。前半の最後には作品90をもってきたそうだが本日は割愛。もう夜も遅い。

|

« 日々愚想 | トップページ | 渡世に関するメモ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/111335/53985657

この記事へのトラックバック一覧です: 女性的なベートーヴェン:

« 日々愚想 | トップページ | 渡世に関するメモ »