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2011年10月 7日 (金)

信州・安曇野

 昨年から仕事で長野県に行く機会が増えた。年間で初夏と秋に2~3泊の出張になる。去年はレンタカーで南の飯田から北は飯山まで駆け回った。飯山では夕暮れ時に老夫婦が野沢菜を収穫し軽トラに積み込む姿も眺めた。米や野菜を栽培し土地の恵みを食とし山間で暮らす老いた人間の姿は何やら保田與重郎が固執する〝大和〟の原風景のようにも思えた。

 今年は初夏に安曇野を訪れ秋とは異なる風景と人々の姿に出会った。何でもテレビ番組が好評で観光客が増えて活況と言う。イベントや全国各地の持ち回りで行われているというワサビ生産者大会が何年ぶりかで安曇野で開催されていた。長野県は静岡県と並ぶワサビの主産地なのである。ワサビ田は観光客のお目当てのひとつ。生育時に暑さを嫌うワサビを寒冷紗という黒い幕を張り夏の陽射しから守り栽培する。生育が終われば9月いっぱいで幕は撤去されるが8月下旬に安曇野を訪れた時は田は未だ幕で覆われていた。その下を流れる澄んだ湧き水でワサビは太るのである。10月初旬に再訪するとテレビ番組は終了し幟やポスターは一斉に撤去されていた。著作権なのか使用できないのだそうだ。われわれは安曇野のワサビ農場から松本まで移動。昨年から松本に立ち寄る機会も増えた。

 松本駅からは北アルプスの連峰が一望できる。先月の連休の時は若い人から高齢者まで山登り・山歩きの格好をした人々が多かった。しかし松本といえば音楽好きには小澤征爾氏率いるサイトウ・キネン・オーケストラ公演が行われる場所である。昨年来のガンの闘病生活で今年の公演は予定を全部は指揮できなかったと聞く。その後の上海での演奏会も同行できなかったらしい。夏が過ぎ、我らが指揮者は何処にありや。31年前のカルメン以来、もう一度くらいは演奏会で指揮ぶりと紡ぎ出す音楽にどっぷりと浸りたいのだが。

 

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