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2011年5月21日 (土)

娑婆に棲む日々

 学生時代から親しくして頂いているIさんは大阪に引っ越してからも録画したDVDを送ってもらっていた。アカショウビンの好きな音楽をわざわざ録画して頂き恐縮している。再び引っ越してからもDVDを送って頂き恐縮していた時に今度は葉書を戴いて驚いた。今年1月に胃ガンが発見され2月に手術したと書かれてあった。後日電話で詳細を知った。再発や転移は99%ないと言う医師の診断だったそうである。しかし患者の不安は医者といえど他人の診立てある。Iさんは、あと10年生きられるかどうか、とその後にDVDを送って頂いたなかにメモを記されていた。先日も10数枚のDVDを送ってくださった中に「東京直下型大地震が10年以内に70%の確率でくると聞きました。それまでに成すべきことをして死を迎えたいと思っています。『がんばろう日本!』は、もう、モチベーションが上がらない」と記されていた。

 先にも書いたが今年の1月には恩師とかつての仕事場での若き後輩の訃報を知った。恩師は8年間の闘病で67年の生涯だった。後輩はわずか32年である。寿命とはいえ死は酷い仕打ちと思えるように人を襲う。しかし死を覚悟できるのは或る意味で幸いとも言える。津波や地震で死ぬことは覚悟の死とは言えない。病での死は覚悟する時間が得られる死とも言えよう。人生50年生きられれば娑婆の何たるかを体験できたとも言える。アカショウビンの生は余生とも心得ている。しかし、天災や人災で亡くなる人々の姿を見れば、人の生死の様々に新たな覚悟もしなければならぬと思いもする。

 Iさん、お互い天災や戦争で死ぬこともなく50年余も生きられたことは幸いと思いたいね。心残りはいくらでもあるけれども天災や人災、戦争で若くして亡くなった人々からすれば十分に生きたとも言えるのではないかな。お互い余生がどれくらいあるのか心もとないけれども娑婆世界に棲む日々を心おきなく生きて最期を迎えたいと切に思いますよ。

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