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2010年10月31日 (日)

私たちが胚胎する病根

 先に引用した吉本隆明(以下、敬称は略させて頂く)の論説の中で以下の箇所は同意だ。

 >文字が誕生してからあと、わたしたち人間は理念の生命を原料に、[概念]をまるで産業のように、大規模に製造できるようになったのだ。文字による語の大量生産体制の出現は、ひろがってゆく一方の過剰生産の系列をうみだした。それは必然的に[概念]のなかに封じこまれた生命の貧困化を代償にするほか、源泉はどこにもなかった。現在ではほとんどすべての文字、それを組み上げた語は、自然としての生命などを土壌に使わずに、人工的に培養しているといったほうがいい。

 ★「文字による語の大量生産」は産業社会の進展によるモノの大量生産と並行している。そこに私たち現在を生きる者が遭遇し、「理性」では捉えきれない不可解なものにとりこまれている、といった不安の原因があると思われる。産業社会の進展による「便利」さのなかに生きる私たちはガン細胞のような病根を日々の生活のなかに胚胎しているのではないか。その前のところで吉本が言う、人間が植物的な段階にあるとき、の記憶は動物になり、人間となってもヒトという生き物は、その病根と病理を抱え生きる「宿命」を負っている、ということだろう。では、その治療法は?

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