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2010年5月12日 (水)

日々雑感

 現在の政治状況どころの話ではないアカショウビンの困窮生活だが沖縄の熱気はテレビ・新聞で騒がれていても日本国民に広く協調の機運が盛り上がっているわけでもない。お隣の韓国とはそこが決定的に異なっている。それが日本という島国の国際政治に対する感覚で惰眠は安眠でもあり国民はマスコミや政治家よりも直感的にそれを理解しているということでもあろう。

 先日、中央公論という月刊誌の4月号を久しぶりに読んだ。吉本隆明(以下、敬称は略させて頂く)と中沢新一の対談が掲載されている。昨年の正月号以来だ。昨年のほうが面白く今回は物足りない。写真の吉本は亡き碁打ちの藤沢秀行と似てきた。二人とも壮年の頃の男っぽい面構えがちんまりとしたお爺ちゃんになった。ガン闘病で中年から晩節を生き抜いた秀行の晩年の写真を専門紙で見た時は本当に驚いた。今回の吉本の写真もそれに通じるものを感じた。秀行の碁にかける熱情は烈々たるものがあったが吉本もボケもせず矍鑠たるものである。両人の老いの姿を語りや写真で拝見すると我々もかく老いたいものだと暫し感慨に耽る。

 少し抜き書きしておく。

  レーニンの思想は一面ではエンゲルスに近くて、人間の精神活動と自然の活動を一体化してしまう。それに加えて、例えばロシア正教のような宗教が考えている神ともかなり接近している。(中略) 宗教というのは、人間における最も人間的な部分を解体して、人間を超えた領域に入っていく運動です。そういうとき、ロシア人の宗教思想は、自然と神を一体化するような回路を作る傾向がある。 (中沢)

 レーニンの言う、「民営化」とは国家が管理運営してきた事業を民衆の手に委ねることで、それを推し進め、完全に成し遂げられたとききには、国家は解体するし、もちろん共産党も解体し、権力が自己解体する。ここはレーニンの立派なところで、この明瞭さを捉えれば、『国家と革命』はいまでもそこのところは生きているよと言えます。(吉本)

 沖縄問題で沸騰しているかのように見える昨今の政治状況は米国側からすれば次のような認識でもある。 

 >日本にはすでに十分すぎる米軍基地があり、他国から攻撃を受ける恐れはない。もし中国が日本を攻撃すれば、それは中国にこれ以上ない 悲劇的結果をもたらすだろう。中国に関するあらゆる情報を分析すれば、中国は自ら戦争を起こす意思はないことがわかる。中国の脅威などは存在しない。それは国防総省や軍関係者などが年間1兆ドル以上の安全保障関連予算を正当化するために作り出したプロパガンダである。過去60年間をみても、中国の脅威などは現実に存在しなかった。

 >北朝鮮は攻撃の意思はあるかもしれないが、それは「自殺行為」になることもわかっていると思うので、懸念の必要はない。確かに北朝鮮の戦闘的で挑発的な行動がよく報道されるが、これはメディアが冷戦時代の古い発想から抜け出せずにうまく利用されている側面もある。http://diamond.jp/articles/-/8060

 これは米国の世界戦略を鑑みれば妥当な見解だ。日本が敗戦国として戦勝国に譲歩するというより過剰に配慮し天皇もそれを察し「捨石」にした沖縄の地理的戦略的位置付けはそういうところだろう。

 英国でもエリートのいかにも毛並みの良い「おぼっちゃん」風エリート政権が樹立された。しかし、そのボンボンぶりには虫唾が走る。彼らに政治の清濁併せ飲む器量は感じられない。それは我が国にしても同じである。チャーチルや吉田 茂の性根が座った図太さは限りなく少ないように見える。

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