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2010年5月26日 (水)

時は移る

 先日のNHKテレビの将棋トーナメントで有吉道夫九段と高橋道雄九段の対戦を見た。現役引退を明らかにしている棋界最年長(75歳)の棋士の差し回しを眼に留めておくつもりで。戦形は先手をもった氏が得意の相矢倉に誘導する。後手の高橋九段も矢倉は表芸である。名人戦で当時の中原名人をあと一歩まで追い詰めたことを思い出す。かつて「火の玉流」と恐れられた有吉九段の攻め将棋を期待したが高橋九段の巧妙な差し回しでいつのまにか有吉九段の非勢に。残念ながら有吉九段の攻めを切り返した高橋九段の完勝譜となった。しかし戦いが終わった後の感想戦では将棋とは裏腹に温厚な氏の姿と感想が清々しかった。

 氏は5月24日の対局を最後に引退した。次の日は既に引退した大内延介九段の引退パーティがあったようだ。米長将棋連盟会長のブログで知った。氏も現役時代には中原名人を土俵まで追い詰めた名棋士である。中原名人も病で現役を去った。大山、升田の名人達が死闘を繰り広げてから約半世紀。その間に大山名人から中原氏が名人位を奪い長く中原時代を築いた。時代は移る。今や棋界は羽生時代である。いつのまにか役者達が入れ替わっている。半世紀とはそういう時の推移に気付かされる時間でもある。

 先日のブログでも書いたけれども加藤一二三元名人の「猫裁判」の後日談を少し。米長会長と加藤元名人が先に福岡で行われた名人戦第4局の時に話をしたらしい。加藤元名人は「神と将棋と猫」について会長に考えるところを話した、と米長会長が書いている。会長は「猫について詳しくなった」とそっけなくコメントしているが元名人は意気軒昂で控訴して闘うようだ。この裁判は私見では様々な論点を孕むものとして注目する。同時代を生きた先の両氏は引退されても加藤元名人は未だ現役である。将棋と共に裁判でも問題の本質を神と将棋と猫を介して存分に論じて頂きたいと期待する。

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