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2010年3月 8日 (月)

労働とは?

 昨年4月に埼玉から大阪へ転居して以来一年近くが経過した。約4ヵ月の求職活動の末に得た職は工事現場の路上警備という仕事だった。同僚は若者もいたが多くは中高年の男女だ。高齢者も多い。息子のような土木業者から邪険に扱われる姿は自らの現実を介して底辺労働の苛酷を痛感した。

 労働とは何か?古代から近代に到る過程で人が従事する労働(仕事)の在り方は大きく変貌した。それは技術の発達により肉体・身体労働の苛酷さを軽減する過程での変化である。近代に至り古代の肉体労働は機械技術の進展により楽になる。しかし逆行する弊害も出てくる。我が国では明治時代に群馬県の足尾銅山鉱毒事件、戦後の水俣水銀公害、米国ではミシシッピー河での農薬公害。その現実を田中正造、石牟礼道子、レイチェル・カーソンが著作で告発した。人は便利を追求し何かを失った。その過程で死んでいった人々の無念は諸氏の著作にあたれば痛感する。

 アカショウビンが従事した労働にそのような弊害は微小だ。しかし雨風に打たれながらの労働はエアコンの効いた屋内での労働と比べれば苛酷だ。そのような職場でしか働けない中高年・高齢者の現状は戦後復興で金満大国と世界から揶揄されるなかで毎年3万人という自殺者が生ずる現実を看過することはできない。国民はともかく政府・行政は立場上から現実を凝視しない。目を背ける。人は少しでも楽な職場・仕事に就きたがる。しかし現実はそうもいかない。経済的繁栄のなかで毎年自殺者3万人という異常な現実が金満大国の現実である。

 先に読んだハイデガーの「貧しさ」での分析は戦後世界の現実で現在を生きる私たちに根本的な思索を促す。日々の労働・仕事に従事しながらヨロヨロと愚考を重ねていかねばならない。

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