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2009年12月 2日 (水)

T君へ

 高校の同級生であるT君から封書が届いた。先日、久しぶりに電話で話ができた時に近況を手紙にするよ、と話していたがこんなに早いのに驚いた。それほど大変な経験をしたのだ。文面から詳細が確認できた。

 実はアカショウビンが埼玉の寓居から大阪へ転居する前にT君の現状は電話で聞いていた。今年二十歳になるご長男は未熟児で生まれ胆道閉鎖症という病を抱え挙句は肝硬変を患う。これらの病を治すには肝臓移植をしなければならない。手術費用も高額で何より肝臓の提供者を待っていると手遅れになる。八方手を尽くしたすえT君は自らドナーになることにした、という話だった。半年にわたる検査の末、5月13日に手術、ということは電話で聞いていた。ところがアカショウビンは4月18日に大阪へ引っ越し転居のゴタゴタで、その後しばらくは連絡がとれなかった。一度、電話をしたが手術後の対応でご家族の皆さんも留守のことが多かったのだろう。

 その詳細は手紙で知ることができた。手術は20時間余に及んだという。父子、奥様、御次男、両家の御祖父母さん、の家族で人生の大きな節目を経験、体験された事と察する。手術は成功した。二十歳を迎えられた御長男は術後に看護師を介しT君にメモを託したそうだ。そこには、本当に、と10回くらい書いたあとに、命をありがとう、と記されていたそうである。その光景を想像し号泣した。

 人は死んでゆくけれども新たに生まれ、その生も多くの人々が苦難を経験し苦闘する。アカショウビンも同様である。母の闘病と死を看取り、友人と子息の苛烈な体験を知る。人が世に棲む日々は斯くの如し。

 T君、ご子息とご家族の将来、未来に幸いが到来することを心より念願するよ。

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