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2009年7月 3日 (金)

「赤とんぼ」を歌う吉本隆明

先日、ネットのご縁で京都精華大学創立40周年記念事業の一環で笠原芳光氏が吉本氏にインタビューしたDVDを入手し興味深く見た。

そのなかで氏が60年安保闘争のころ全学連主流派の学生と共に総評、共産党と立場を異にし品川駅の線路に座り込み強硬な姿勢で臨んだときに期せずして「赤とんぼ」の歌が涌き起こり「ぼくも一緒に歌いだしましたですけど」というエピソードを初めて知った。鶴見俊輔氏や他の「市民主義者」たちと立場は異にしながら何やら如何にも「日本的な」状況に身をおきながら思わず口ずさむ「赤とんぼ」の歌に抗いがたい心情を率直に述べられた氏の熱弁に思わず引き込まれてしまった。

かつてアカショウビンは「吉本隆明25時」という1987年の9月12日から13日に品川の倉庫で行われたイベントを見る為に仕事を終えてイベントの途中から明け方まで友人のN君と会場に駆けつけた。そのときに司会をしていた中上健次がゲストで招待された都はるみさんと氏をデュエットさせようと画策した。これは見ものだ、とアカショウビンは興味津々で眼を凝らしたが氏はそれを頑なに固辞し、さすがの中上も諦めた様子を想い起こす。

このDVDは吉本隆明の戦後の生き様が、ご本人自ら真率に語っておられる貴重な映像である。先日、このブログで紹介した鶴見俊輔氏との遣り取りの一端も語っておられる。今年の正月にNHKで放映された氏の講演映像を、従姉宅のテレビでホロ酔い気分で垣間見ることしかできなかったアカショウビンにとって丹念に氏の訥々として饒舌な語りを見聞きし新鮮な刺激を受けた。戦後64回目の真夏に向けて他の同時代者の書物にも眼を通し、今後のブログに、このDVDから引用することもあるだろう。

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