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2008年8月 1日 (金)

禅と西洋神秘思想

 上田閑照氏の「非神秘主義 禅とエックハルト」(2008年 4月16日 岩波現代文庫)は神秘家として貶められもし、教会からは異端のレッテルも貼られた中世ドイツのキリスト教説教家マイスター・エックハルトの言説・論説を禅を通じて読み解いた労作である。

アカショウビンが興味を抱いたのは戦後のハイデガーの講演や著作にエックハルトの影響が見られるため。それは戦前からのものかもしれないが詳らかにしない。上田氏の用語にはハイデガーの影響も強い。氏が駆使する独特の用語はハイデガーらの存在論と鈴木大拙や西田幾多郎の影響を受けた禅への深い造詣が裏打ちしている。

「哲学コレクション」と題されたシリーズは上田氏のこれまでの研究を主題によって吟味、補筆し周到に並べ替えたものだ。高齢の氏が生涯の研鑽を集大成し後に続く者たちに継承を促す意図は明らか。上田氏の著作にはアカショウビンも関心を持続している禅者たちの論説が興味深く再現され論じられている。精読し夏を超えていきたい。

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