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2008年4月27日 (日)

画鬼

  先週の松井冬子に続き、本日の「新日曜美術館」も実に面白かった。河鍋暁斎という幕末から明治を生きた画家に光を当てた。松井冬子は驚嘆する現存の34歳の女性画家だが暁斎(きょうさい)という幕末の動乱を生き抜いた絵師の作品は北斎の遺風も受け継いでいると思われる。何より狩野派の伝統と浮世絵の技法を駆使した作品は実に面白い。幕末から明治という文明史的転換の時代を生きぬいた画家のしたたかさと作品の境地には感嘆するしかない。それは「画鬼」とも称される。

 松井冬子については、お二方からコメントも頂いた。アカショウビンも、これから生の作品に出会うこともあるだろう。継続して、この画家の成長を楽しみにしたい。番組の中では上野千鶴子氏のコメントにも不満といえど触発された。氏のこの20年間の仕事は幾つかの著作と新聞、雑誌などで散見している。傑出した社会学者であり、その鋭い舌鋒と言説、旺盛な好奇心は並でない。1991年に出版された「対話編 性愛論」は1994年の文庫版(河出文庫)で読み面白かった。特に森崎和江さんとの対談は。吉本隆明の「対幻想」という概念に啓発されてセクシュアリティやジェンダーという領域に小気味良く踏み入っていく言説は刮目して読んだ。

 松井冬子という画家は、これから画風を変えていくだろう。画家も時代の風を受けながら生きていく。氏が受けたと思われる精神的な傷を乗り越えて更に新境地を開き大成されんことを願う。

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