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2007年9月 5日 (水)

「戦後」という時空間

 瀬島龍三氏死去の報がマスコミでそれなりに報じられても若い人たちには「誰その人?」だろう。アカショウビンとて氏の戦前・戦中・戦後の経歴を詳しく知っているわけでもない。しかし概略で氏の経歴を辿れば大戦の遂行の中枢にいて過酷なシベリア抑留生活を体験された戦争の生き証人である。氏の死で先の大戦がまた遥か「歴史」の彼方に消え逝く感のするのも否めない。

 毎日新聞に掲載されたコメントで日野原医師が「最後まで筋のある発言をされていた」と述べられている。ノンフィクション作家の保阪正康さんは「生きている間に体験した史実を語ってほしかった」と話されている。

 東京裁判でソ連側証人として発言した経緯からすれば戦後に実業家としてまっとうされた生涯の裏に隠された史実にアカショウビンも関心をもたざるをえない。戦争遂行に400万人の陸軍を動かしたエリート将校の発言は国民として知りたく思うのは人情というものである。

 黙して語らずというのが武人・軍人の美学かもしれない。しかし戦後を生きながらえ一人の個として公的な発言が聴きたかったとアカショウビンは思う。

 まだ保田與重郎は文人として私的に発言もし文章として我々も読むことができるだけ刺激・挑発・共感・反発もできる。そこには小林秀雄の「オレは馬鹿だから反省はしない」という江戸っ子的な啖呵も響いて聴こえる。

 それにしても氏の死でまたひとつ先の戦争が人々の記憶から遠ざかっていくのだけは確かだろう。しかし国家の「歴史」はこれから編まれていくのである。その成り行きにはアカショウビンも生きている間だけでも注視したいと思うのである。

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コメント

@niftyトップページ「旬の話題ブログ」コーナーにて、
本ページの記事を紹介させて頂きました。
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今後も旬な話題の記事を楽しみにしておりますので、
引き続き@niftyをご愛顧の程、よろしくお願い致します。
ありがとうございました。

        @nifty「旬の話題ブログ」スタッフ

投稿: 「旬の話題ブログ」スタッフ | 2007年9月 6日 (木) 午前 11時26分

 前略、ありがとうございます。あれこれ話題が散漫な当ブログですが、お世話になり感謝いたします。今後ともよろしくお願い致します。 草 々

投稿: アカショウビン | 2007年9月 8日 (土) 午後 01時16分

コメントありがとうございました。
これからも応援しています!

    @nifty「旬の話題ブログ」スタッフ

投稿: 「旬の話題ブログ」スタッフ | 2007年10月11日 (木) 午後 05時49分

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