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2007年8月 7日 (火)

追悼 小田 実

   「もう手遅れと医者はいうんや、もっと生きたいよう、死にとうないわ。寂聴さん、元気になるお経あげてや」

 声は明るく冗談めいていた。私は絶句して、泣いていた。

 瀬戸内寂聴さんが東京新聞に書いた追悼の結句である。無断引用で恐縮。小田 実が亡くなり何か書いておかねばとネットを見ていると懇切な文章に幾つか出会った。ネット上では毀誉褒貶かまびすしいようだがそれほど読んだわけではない。アカショウビンは前回のブログに書いたように若い頃に、少しは氏の書いたものを面白く読んでいる。小説よりは評論の類の方が面白かった。時代のなかで氏より若い世代には気になる存在だった。もっとも高校生の頃に文学少年だったという大学時代の友人は殆ど読んだことがないと話していたからアカショウビンが思っているほどでもないかもしれない。

 その活動は「運動家」という印象が強いが後半生は小説家として優れた作品を残しているように見聞する。アカショウビンは、その饒舌体と評された文体に距離を置くためにいつしか著作からは遠ざかっていたが新聞に掲載される文章は読み続けていた。氏の文体は今で言えばレゲェやラップ音楽のようなものだと思う。誰でも真似しやすいが真似はしょせん真似。芸術は創造である。独創こそ命。卑しくも文学を志す者この世に二つとない創造を目指すのである。若いアカショウビンは氏の饒舌の文体を「文学的に」警戒した。逆に言えば小田 実は若くして自分の文体を構築し市民政治運動と相乗させ独特の個性を造り上げた。

 著作集の「小田実/全仕事」は絶版と聞く。再刊されることがあるかもしれない。全貌はこれから明らかになっていくだろう。アカショウビンが知っている小田 実はほんの一部だ。

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コメント

はじめまして・・・
 (もし以前に訪問させて頂いておりました場合にはお許し下さい)
週末を中心に野鳥の撮影をしております。
また訪問し・・・楽しみに見させていただきます。

投稿: craft | 2011年2月28日 (月) 午後 08時37分

 craftさん コメントありがとうございます。小生の日記はアレコレ話題が飛びますが忌憚なく感想を書いてください。異論は真摯なものであれば幾らかの実りを目指し全力で応答いたします。

投稿: アカショウビン | 2011年3月 2日 (水) 午前 06時54分

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