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2007年5月13日 (日)

家族

 テレビで灰谷健次郎のことを柳 美里さんが話している。アカショウビンは灰谷氏と柳さんの読者ではないが実に興味深く番組に惹き込まれた。柳さんが12歳の時に「太陽の子」を読んで号泣と言っていいくらい泣いた、という話は、一つの作品が12歳の子供の読者の心を、そこまで震撼させるということに驚かされる。さりながら一冊の書物との出会いというのはそういうものであるのだろう。「ボヴァリー夫人は私だ」と言ったのは当の作者だった筈だが読者がそう思う作品がある。登場人物が自分のように思える切迫感。名作、傑作のお墨付きはなくとも、そういう作品がある。

 番組では、少女時代に在日韓国人として過酷な「いじめ」にあった柳さんが、自分の子供時代を思い起こす。良い思い出ばかりでもない自らの両親や灰谷氏の親友、妹さんたちにも取材する。また自分の息子に語りかけながら子供時代から私生児を生み恋人と死別した現在までの生を語る映像は胸を撃つ。

 「太陽の子」という映画を観たのはいつだろうか?内容は殆ど覚えていない。池袋のかつての文芸座地下だったことは間違いないから、かなり前のことだ。それで原作を読むことはなかったが柳 美里という小説家が生まれるきっかけになった経緯は興味深く知ることができた。

 教育の現場をアカショウビンは知らないが、灰谷氏という教育者の人生を通してその現場が、どれほど厳しく、かつ実り多い現実を有していることかを番組は良く構成していた。

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