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2007年5月14日 (月)

ロストロポーヴィチ追悼

 昨夜のNHKテレビは「灰谷健次郎×柳 美里」という番組のあとに先日亡くなったロシアのチェリスト、ロストロポーヴィチを追った、確か外国人スタッフによる構成のドキュメンタリーを放送した。スタッフはR・シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」というチェロ協奏曲といってもよい作品を小澤征爾とサイトウ・キネンオーケストラで作り上げて行く過程を取材する。製作スタッフのためか小澤氏は日本語より英語で多く語りかけながら独奏者と音楽を作りあげていく。その過程がとても面白かった。

 何年か前に、やはりNHKで小澤氏と東北のお寺で地元の人たちために中学生か高校生のオーケストラと共に演奏する番組を面白く見たことを想い起こした。その時の片言の日本語で子供達に語りかけるロストロポーヴィチのお道化けたコメントが面白かった。小澤氏との友情が伝わる良く構成された番組だった。

 音楽を作りあげていく過程と作品へのヨミの深さは音楽家によって異なる。アカショウビンは氏の演奏に痛棒を食らった経験は正直言ってない。しかし世評は赫々たるものである。かつてベートーヴェンの三重協奏曲をリヒテル、オイストラフをソリストにカラヤンがベルリン・フィルで拵えたレコードがあった。あの音楽作りの際にロストロポーヴィチはカラヤンと同調した、と先日見たドキュメンタリー・フィルムでリヒテルが皮肉っぽく語っていた。そのあたりから「商売上手」という悪評も立ってきたのではないか?生涯にはスキャンダルもあったようだが歳を経るにつれて音楽家として成熟していったのだろう。最新の映像からは誠実に音楽と向き合った人であることが伝わってくる。「ドン・キホーテ」という作品は自らの人生と重ねて理解しているとして「ドン・キホーテは私だ」と言うほどの入れ込みかたと情熱的な語りが氏らしかった。80歳を越えていたから大往生だろう。今宵はリヒテルと組んだベートーヴェンのチェロ・ソナタでも聴いて追悼しよう。

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