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2006年12月13日 (水)

未明のコルトー

 未明に、買い込んだままで聴いていないCDを引っ張り出して聴く。ここ数年のアカショウビンの習慣である。先日はワルターのモーツァルトに全身を耳にした。今朝はコルトーのシューマン。

 1929年3月9日・19日の録音である。その日付を見れば購入するのも聴くのも躊躇するだろう。しかし3枚組の廉価CDなので買っておいた。いずれ暇な時に、と一度聴いて以来久しぶりに聴いた。コルトーというピアニストの何かがわかったような気がした。「交響的練習曲」と「子供の情景」、「クライスレリアーナ」と聴いて飽きない。「子供の情景」で有名な「トロイメライ」も情に流されず、そっけなくコルトーは弾く。巷間流布する華奢なショパン弾きという印象にだまされてはいけない。実に骨太なピアニストである。

 石牟礼道子さんが、ある講演で「この世はもっと奥深い、神秘な呼びかけに満ちていたんですね。それをj聞き分ける耳、それを見るまなこは、昔のほうが深かったと思うんです」と語っていた。

  コルトーの演奏を聴いていると、その「神秘なよびかけ」を聴く思いがした。昭和4年の録音でも音楽は平成18年の未来にちゃんと届く。人類のこの技術に感謝しよう。それが幻聴であるとしても。

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