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2006年8月26日 (土)

夏はゆく

 昨日は山形へ日帰り出張。6月以来で、山形駅でレンタカーを借りそこから高畠、引き返して山形市郊外まで、と駈けずり回ってきた。東京は雨模様だったが「つばさ」が福島で切り離されて米沢へ向かう頃には晴れ間も広がった。携帯した本は「私家版・ユダヤ文化論」(文春新書 2006年7月20日 内田 樹著)。著者はアカショウビンも断続的に読み続けているフランスの哲学者エマニュエル・レヴィナスの弟子を自認されている今売り出しの神戸女学院大学教授。アカショウビンは友人の高校教師N村君から薦められて昨年あたりからホームページの日録や著作にも目を通し始めている。

 同書は、ユダヤ人である師のレヴィナス研究を通して「ユダヤ人」という概念を19世紀のフランス政治状況を元に20世紀にまたがる文化史・思想史も辿り自在に論じて面白い。「バカの壁」の著者らとも親交があるようで諸氏達との交流は平成文化サークルの感もする。まさに今が旬の論客と思われる。

 30年前頃から始められたというユダヤ文化研究の造詣はなかなかのもの。サルトルらの論考も踏まえた内田版ユダヤ人論は自ずと日本文化論にもなっている。フランス思想仕込みの明晰さと読者を飽きさせないサービス精神も旺盛だ。日比谷高校から東大仏文、おまけに武道の熟練者と聞けば女子学生が群がり慕う姿も浮かび羨ましい(笑)。

 ともあれ今年は梅雨が明けるのが遅く短い夏の年として記憶されるだろう。盆休みには未読の本や買い溜めて聴いていないCDを少しでも読み聴きしたいと思ったがいくらもできなかった。宿題は秋に引き継いでいこう。戦争について、また黒木作品の更なる感想、読み継いでいる本の感想も書き継いでいきたい。今月のはじめには昭和18年~19年に発刊された古本で齋藤茂吉の「柿本人麿」評釈篇・雑纂篇等も格安で手に入れた。保田與重郎の論考とも併せて読み継いでいくつもりだ。昨日は上山の茂吉記念館も訪問したかったが仕事に追われ、それどころではなかったのが残念。

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