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2006年3月27日 (月)

民主主義でなく偽善

 先日、スパイク・リー監督の「マルコムX」がDVDで発売されたのを発見しアカショウビンは思案のすえ購入した。1993年に公開されたこの作品を、その後ビデオで見直して以来、何年ぶりかで見直すのも何かの縁というものだ。9・11の後、電波空間の中ではマルコムXの名前も飛び交い、アカショウビンもかつて読んだ彼に関する書籍を読み直しながら自説を開陳した。

 マルコムXは、「米国という国はデモクラシーではなくヒポクラシーだ」と饒舌に告発する。「アメリカン・ドリーム?それはわれわれ(黒人)にとって悪夢だ」。マルコムX流のレトリックだが、それは米国という国の本質を言い当ててもいるのではないか?スパイク・リーがマルコムXを映画化した理由はともかく、そこには米国の戦後の黒人の扱われ方と彼等の抵抗が映画作品としても高い水準でくっきりと描かれている。それはアカショウビンにとって「ミシシッピー・バーニング」に次ぐ佳作として何度も見直したい作品である。辺見氏が敵とする「米国」の姿はマルコムXの時代から半世紀近くが過ぎようとしている現在も、この作品を見れば本質は9・11以降も変わっていないと確認できる。それは黒人社会に対する姿としてマルコムXが告発した「米国は最大の殺人暴力国家だ」という姿だ。

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コメント

お久しぶりです。以前赤ひげで、記事を拝見したものです。相かわらずの熱心で、深い洞察の記事、感心します。さてこの記事を読んで、最近見た映画を思わず思い出してしまいました。
「9.11 ~N.Y.同時多発テロ衝撃の真実」という映画なのですが、この映画、政治的な意見のない、ただあの時の事実のみのドキュメンタリーとなっています。その事によって余計に、今のアメリカの態度を考えさせられてしまう映画となっています。もしよければ、ご覧になって、それについての意見などをまた記事にしてもらえらえば、幸いです。あくまでおせっかいなので、気になさらないでください。では、これからも楽しみに拝見させてもらいます。がんばってください。

投稿: exp#21 | 2006年4月17日 (月) 午後 11時39分

 exp#21さんコメントありがとうございます。ご推薦の「9.11 ~N.Y.同時多発テロ衝撃の真実」は近く観てみようと思います。アカショウビンは9・11の後レンタルビデオで「マルコムX」を観直しマルコムXのインタビューや彼について書かれた著作を新しく読んだり、かつて読んだものを読み直し、もっと触発されました。ブログにも書きましたとおり、映画作品の完成度としてはアラン・パーカー監督の「ミシシッピー・バーニング」のほうが上かもしれないと思い作品としても好みなのですがスパイク・リーという監督の才覚は「マルコムX」で初めて知った次第です。メールでご返信しようとしたのですがアドレスに到達できず、この場で失礼させて頂きます。

投稿: アカショウビン | 2006年4月19日 (水) 午前 02時08分

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