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2005年8月12日 (金)

戦艦大和ノ最期・初出テクスト(続き)

 先の臼淵大尉の持ち場は初出テクストでは哨戒長となっている。そして、大尉は薄暮の洋上に眼鏡を向けたまま低く囁くごとく言った、と記されている。

 「進歩ノナイ者ハ決シテ勝タナイ、負ケルコトガ最上ノ道ダ、ソレ以外ニドウシテ日本ガ救ワレルカ、今目覚メズシテイツ救ワレルカ、、俺達ハソノ先導ダ」。

 吉田さんは、この初稿を書いた後、1952年に創元社から出版されるまでに、何度も記憶を手繰り寄せ推敲を重ねられたと思われる。創元社版では次のように記されている。ただし、カタカナ交じりの歴史的仮名遣いの原文を、現代仮名遣いで育ったアカショウビンや若い人たちにも読みやすいように、句読点を付け現代仮名遣いに変えさせていただくことをお許しいただきたい。

 「進歩のないものは決して勝たない。負けて目覚めることが最上の道だ。日本は進歩ということを軽んじ過ぎた。私的な潔癖や徳義にこだわって、本当の進歩を忘れていた。敗れて目覚める。それ以外にどうして日本が救われるか。今目覚めずしていつ救われるか。俺達はその先導になるのだ。日本の新生に先駆けて散る。正に本望じゃないか」。

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