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2005年7月12日 (火)

ヤスパース「戦争の罪を問う」

 前に書いた記事を修整しようとしたら出来なかったので、一度削除し一部修整して再掲する。

 ヤスパースは戦後の講義の中で学生たちに戦争の罪を4つに区別して説明している。①刑法上の罪②政治上の罪③道徳上の罪④形而上の罪、である。このうち④が私達も再考すべきヤスパースの視点である。この講義は出版されハイデッガーにも献呈されたがハイデッガーはヤスパースへのお礼の手紙の中で、別の作品に言及するのみで、この論文(講義)を論評しなかった、というよりまったく無視した、といういきさつから、二人の間で、この論文の行間に潜む意味は私達には別の文脈で興味深い。その一端は既出の記事で説明しているのでご参照いただきたい。ここでは④の意味するところを、我が国の鎮魂の日に向けてアカショウビンも一人の国民として思考していきたい。ヤスパースは④を次のように説明している。

 「私が他人の殺害を阻止するために命を投げ出さないで手をこまねいていたとすれば、私は自分に罪があるように感ずるが、この罪は法律的、政治的、道徳的には適切に理解ができない」。この箇所は加藤典洋氏が解説で説いている我田引水的な論調とは別に熟考すべき本書の中核の論点である。

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